債務整理と利息制限法のかかわる範囲
ここでは、利息制限法について説明します。
利息制限法には「金銭を目的とした消費貸借」という言葉が使われていますが、具体的にどんな取引を指すのでしょうか?
あなたが貸金業者と交わした契約内容によっては、過払い金返還請求や任意整理ができない場合もありますので、金銭を目的とした消費賃借の内容について確認しておきましょう。
(1) クレジット契約
クレジット契約とは、消費者であるあなたがお店や会社から商品の購入やサービスの提供を受け、その代金を後で分割して支払う契約のことです。消費者が商品を「買い」、お店が商品を「売る」ということで双方の合意による契約が成立したことになります。
クレジット契約は、「割賦購入斡旋契約」とも呼ばれ割賦販売の一種になります。“斡旋”という言葉がつくのは、消費者はお店や会社から商品・サービスを購入するわけですが、代金を現金ではなく後払いにすることで、消費者とお店の間に信販会社が入り、消費者に代わって立替し、信販会社がお店に支払う仕組みになっているからです。
消費者が「分割払いで」という意思をお店に示すと、お店は加盟店契約をしている信販会社に連絡をします。すると、信販会社はあなた(消費者)が払える能力があるかどうかなどの信用調査をした上で、商品代金をお店に一括払いする旨の返事をします。この時点で、あなたと信販会社の間では「立替払委託契約」が成立しています。
この契約には、立替金に対する金利以外にも立替払委託に対する報酬や信用調査に伴う費用なども含まれるという理由から、分割手数料は利息制限法に適用しないと否定する業者が裁判例(東京地判平4・4・9金法1351号37頁)として多く見られます。
(2) リース契約
リース契約とは、リース会社からコピー機やパソコンなどの物品を借りて、その使用料として月額で2年とか3年のリース料を消費者が支払う契約のことです。消費者からすると、一見はクレジット契約と同じように見えますが、リース契約はクレジット契約と違い割賦販売法も適用されませんし、自動車や船舶その他の特殊な物品以外は、リース事業を規制する法律もありません。
リース料には物品の代金以外にも利息や固定資産税、保険料、販売管理費などが含まれていますので、実際の物品代金に比べてかなり割高な金額になります。
このようにリース契約には、「金融」としての実体を有しながらも、単なる金銭を目的とした消費貸借契約ではなく、賃貸借契約の側面を有することを理由に、利息制限法適用を否定した裁判例(東京高判昭57・4・27判時1048号107頁)もあります。その一方で、利息制限法の適用を認められた裁判例(東京高判昭62・4・30判タ654号174頁)もあります。
(3) 手形割引
手形割引とは、金融機関や業者が、商品代金として支払期日前に受取手形を買い取って現金化することをいいます。一般的にはあまり馴染みのない取引ですが、手形の交付が貸金の担保または貸金の支払いのためと判断されることで、利息制限法が適用されるという結論(東京高判昭41・3・15判タ190号117頁)があります。一方、手形割引は手形売買であるとして適用されないとする判例(東京高判昭48・4・12金法686号30頁)もあります。



トラックバックURL